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大学院修士課程体験記 伊東 桃花

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大学院修士課程体験記

臨床遺伝学・医療倫理学教室

修士課程:令和6年度入学

伊東桃花 (いとう ももか)

遺伝工学から遺伝カウンセラーの道へ

私は医学院修士課程(公衆衛生学専攻)に在籍し、遺伝カウンセラー養成プログラムで学んでいます。本体験記が、遺伝カウンセラーを目指す皆さんの進路選択の一助となれば幸いです。

伊東桃花さんの顔写真

修士課程に入学する以前・入学経緯

修士課程入学前は他大学の工学部に所属し、大腸癌を対象としたノンコーディングRNAの研究に取り組んでいました。研究を進める中で、遺伝子や遺伝子発現の変化が疾患の発症や進行に深く関わっていることを学び、遺伝学への興味を強く持つようになりました。

また、研究成果が患者さんやその家族の支援につながる医療分野にも魅力を感じ、遺伝学をより専門的に学びたいと考えるようになりました。大学院進学にあたっては、遺伝学を体系的に学べる環境を探し、本学医学院への進学を決めました。当時は研究者としての道を中心に考えていましたが、後に遺伝カウンセラーという職種に出会い、自身の進路を大きく見直すことになります。

入学後を振り返って

入学当初は現在とは異なる研究室に所属していましたが、修士課程1年次の授業で遺伝カウンセラーについて知り、強く興味を持ったことをきっかけに臨床遺伝学・医療倫理学教室を訪問しました。その後、研究室を変更し、現在に至ります。

研究室を変更することは私にとって大きな決断でした。研究テーマや将来の進路について改めて考える必要があり、不安もありましたが、教室見学や先生方との面談を通して、遺伝医療に携わりたいという思いが次第に強くなりました。結果として、この選択は私にとって大きな人生の転機となったと感じています。

遺伝カウンセラー養成プログラムでは、2年間の教育課程を修了することで認定遺伝カウンセラー試験の受検資格を得ることができます。1年次は遺伝学の基礎からさまざまな遺伝性疾患まで幅広く学び、MPHの授業とあわせて充実した日々を過ごしました。

特に印象に残っているのは、遺伝医療を医学的な側面だけでなく、倫理的・社会的な視点からも学べたことです。遺伝情報は本人だけでなく家族にも関わるため、単に医学知識を身につけるだけではなく、多様な価値観や意思決定を尊重する姿勢の重要性を学びました。

また、MPHの授業では疫学や生物統計学、医療政策などについて学びました。臨床現場だけではなく、公衆衛生学的な視点から医療を捉える機会を得られたことは、自身の研究活動にも大いに役立っています。

2年次は実習が中心となり、実際の遺伝カウンセリングに参加しながら、専門職としての姿勢や考え方を学んでいます。講義で学んだ知識を実践の場で活用する難しさを感じる一方で、実習で得られる学びは非常に大きいと感じています。

実習を通じて、クライエント一人ひとりに寄り添うことの重要性を実感するとともに、同じ疾患や遺伝学的課題を抱えていても、その受け止め方や必要とする支援は人によって異なることを学びました。クライエントやご家族の思いに耳を傾けながら支援を行う遺伝カウンセラーの役割の大きさを実感し、遺伝カウンセラーになりたいという思いがより一層強くなりました。

これからの目標について

今後は博士課程へ進学し、遺伝カウンセラーとして臨床に携わりながら、ゲノム医療のさらなる発展に貢献したいと考えています。また、研究を通じて現状の課題を明らかにし、その改善につながる取り組みを行っていきたいと思います。

近年、ゲノム医療は急速に発展していますが、地域格差や情報提供体制、人材育成など多くの課題も残されています。私は臨床と研究の双方に携わることで、こうした課題解決に貢献できる人材を目指したいと考えています。

入学を希望する皆さんへ

修士課程では、自身が興味を持った分野を深く学び、探究できることが大きな魅力です。私自身も大学院での学びを通じて新たな進路と出会い、研究室の変更という大きな決断を経験しました。

まずは興味のある分野を探索し、研究室訪問などの一歩を踏み出してみてください。当医学院で充実した時間を過ごされること、そして将来ともに学べることを楽しみにしています。

伊藤さんがスクリーンに映し出されたパワーポイントの内容を説明している
遺伝カウンセリングのロールプレイ授業