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履修コース

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入学から卒業まで

医学部に入学してから卒業までの6年は、つぎの1~4コースに分けられます。

医学部での学習は一般的な広い視野の獲得から、専門性へと収斂していきます。
各コースの学習内容はつぎのようになります。

1. 医学教養コース

医学は自然科学の一分野ですが、医師には多様な価値観を持つ患者さんやその家族と向かい合う幅広い人間性と豊かな人間愛が求められます。これは「医学は文系である」ともいわれる所以でもあります。

入学してからの1年は、総合教育部に配属されます。他の理系学部の学生と一緒に多くの教養科目を共に学習することで、幅広い視野と豊かな人間関係を育むなど、人間性を磨き、生涯医学徒であるための土台をつくる大切な時期です。

一見、医学と無関係に思えるような文系の科目、医学以外の理系科目の履修が、後に医学研究や医療を行う場面での豊かな発想力、創造性、広い視点の原動力となります。

新入生ガイダンス

新入生ガイダンス

4月に行われる「全体ガイダンス」では、授業科目の履修方法や大学生活に関する説明があります。「新入生医学部医学科ガイダンス」では、医学科の沿革、6年間のカリキュラムの説明等があります。

高等教育推進機構

全学教育科目の授業は、医学部近くの高等教育推進機構で行われます。

2. 基礎医学コース

病気は正常の変化したものと捉えられ、病気の理解は正常の理解に支えられます。
このコースは、2年次1学期から3年次1学期までの1年半に及びます。まず、人体の正常な構造と機能を学び(解剖学、組織学、画像解剖学、生理学)、生命現象を分子・遺伝子レベルから理解します(生化学、薬理学)。また、正常から病気に至る基本的プロセスを学びます(微生物学、免疫学、病理学、基礎応用腫瘍学)。

さらに、人間の健康や病気について、人間集団の相互作用、環境問題、社会制度、予防などの観点からアプローチする社会医学系の科目も学びます(衛生学、公衆衛生学、法医学)。

なお、基礎医学コースから始まる医学専門科目は全科目必修であり、時間割も濃密です。

2年次学友会懇話会

2年次学友会懇話会

4月初旬に基礎医学コース(2年次)進級ガイダンスがあります。
医学部長の講話や医学専門課程に関するガイダンスののち、学友会懇話会が催されます。

組織学の実習風景

組織学の実習風景

3. 臨床医学コース

ここでは、様々な疾病について勉強します。
疾病を多面的に把握し、内科学、外科学、専門医学などの臨床医学の基本を学びます。

患者さんを感情のある人間として理解したうえで、その病態、病状検査所見、診断、治療の基本を身につけます。これは次のコースで、実際の患者さんに接する「臨床実習」においてとても大事なステップになります。

臨床医学コースでは、医学研究の入門となる医学研究演習を1カ月行います。ここでは、学生が研究室に配属され、実験の方法や考え方を学ぶことで、将来の基礎医学研究者や研究医となるための素養を磨きます。

このコースの最後には、コンピューターによる知識や理解度を測るCBT、さらに医療面接(病歴聴取)と診察などの技能を測る実技試験「臨床実習前OSCE(Pre-CC OSCE)」の二つの全国共通の共用試験があり、これに合格して臨床実習に進むことになります。

日頃の勉強の成果を発揮「医学展」

日頃の勉強の成果を発揮「医学展

毎年、北大祭の期間中に行われる医学展では、4年生などが企画部門長となって救急対応などの指導や"妊婦さん体験・車いす体験"などを一般市民向けに行っています。

統合・膠原病・アレルギー学の講義(3年次開講)

統合・膠原病・アレルギー学の講義(3年次開講)

4. 臨床実習コース

このコースでは、臨床実習が開始されます。
4年次の2学期からは北大病院で診療科を回り、病院という臨床の現場で患者さんと医療スタッフに接しながら、これまで各コースで学んできたことを具体的かつ実践的に身につけていきます。この実習と並行して、実習で認識した課題や疑問点について、臨床統合講義で振り返り、総合的な診療能力の基本を幅広く学びます。社会医学の実習も、この時期に行います。

続く5年次2学期の6カ月間は、大学病院や学外の医療機関で4週間にわたる長期の診療参加型コア科臨床実習を6回行います。
6年次1学期には、一つの診療科や教室あたり4週間にわたる長期の診療参加型選択科臨床実習を3回行います。

臨床実習コースの仕上げとして、臨床病理学の講義や多職種連携・シミュレーション実習も行います。これらにより、卒業後に役立つ実践的能力も身につけることができます。
このコースの終盤には、卒業試験の一環として全国共通共用試験「臨床実習後OSCE(Post-CC OSCE)」が行われ、臨床技能・態度が評価されます。その後実施される医師国家試験に合格して晴れて医師になります。

医学科の専門教育では、すべてが必須科目となっています。これも他系学部ときわめて異なるところです。これは患者の生命をあずかる医師に対する社会的要請によるものです。したがって、学部教育中にはすべての科目を学び、医師としての基本を身につけることになります。濃密な履修には、このような理由があります。

6年間の学修を経て、いざ学士学位記伝達式

6年間の学修を経て、いざ学士学位記伝達式

6年間の学修を経て、充実感いっぱいで迎える卒業式です。ここから医療機関や大学、研究機関等へと羽ばたいていくことになります。

臨床実習 臨床実習

臨床実習では、実際に病棟をまわっていきます。診断学実習も行われます。

医学科カリキュラムマップ(令和5年度以降入学者)

卒業後の進路

国家試験を合格しても、まだ一人前の医師にはなれません。卒後には、1)研究者、教育研究指導者、2)臨床医、専門医、あるいは、3)行政職などの道を歩むことになります。選択による学習が卒後にはじまるともいえます。とくに1)2)は、一般には大学と関連して学び、卒後10年は基本的学習がつづきます。

1)研究者、教育研究指導者、2)能力ある専門医となるためには、「大学院」に入学して、研究能力を獲得することが必須となるでしょう。今日、医師は専門医が要求されていますが、社会的に能力ある専門医として活躍するためには、研究能力が要求されます。これには大学院で修練することがもっとも効率よく学ぶ路となります。北海道大学では、卒業後の臨床研修、大学院に対しても、大学院生、研修生の学習目標にそって特徴ある明確なカリキュラムを用意しています。

また、医師は患者への責任、社会的責任から、常にリフレッシュしつづけなければなりません。生涯、自ら学ぶ態度習慣が重要となります。