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博士課程の紹介


博士課程の3コースを紹介します

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博士課程の概要

コース案内

医学専攻博士課程は、医学院の「教育目標」に基づき、

  • ① 国内外の大学・研究機関における研究者
  • ② 医療機関において、優れた臨床技術と研究能力を兼ね備えた臨床医・研究医
  • ③ 行政機関・企業等において保健医療行政・公衆衛生に携わる高度専門職業人

として活躍できる高度な能力を有した人材を育成します。
そのため、これまでの学問領域の枠を越え、互いに関連する分野の基礎的知識・技術の修得をはかる融合教育を展開します。また、多様化した社会のニーズに対応できる人材を育成するために、学修課題を複数の科目を通して体系的に履修する3つのコースワークを導入し、人材養成の目的に応じた最善のコースの選択履修を可能にします。

基盤医学コース 

医学・生命科学領域での研究者および教育者の育成を目的とする基盤医学コースは、将来、研究者として自立できるだけの幅広い専門知識と研究に必要な実験のデザインなどの研究手法や研究遂行能力を修得するコースです。さらに専門的知識を学際的な医学・生命科学研究に活用・応用する能力を培います。

コース在籍者からのメッセージ

病理学教室から臨床へ

医学専攻博士課程
基盤医学コース 腫瘍病理学教室(令和4年度入学)

伊勢 昂生さん

私は、学部4年の頃に病理診断の現場を見て診断病理学の面白さを感じたことから、病理医の道を選びました。病理学は奥深く、サイエンスの進歩やNGSなどの新技術の登場とともに、腫瘍をはじめとする疾患の病理分類も日々新しく改訂され続けています。そこで初期臨床研修と並行して大学院博士課程に進学して、最新のサイエンスを学び、分子病理学的技法に触れることは病理医のキャリアでとても貴重な時間になると考えました。腫瘍病理学教室では最新の研究手法を学び、病理学の得意な空間的解析などの手法を用いて臨床に還元できる知見を得られるように研究を進めていきたいと思います。また教室に関連する臨床医や理系・情報系の科学者など多彩な研究者から刺激を得られるのも魅力です。

(令和5年4月現在)

臨床医学コース

優れた臨床技術と研究能力を兼ね備えた臨床医等の育成を目的とする臨床医学コースは、従来のモデル動物や細胞を用いた基礎医学研究手法を駆使した研究ではなく、人を対象とした臨床医学研究遂行能力を修得するコースです。
大学病院で診ることのできない症例や大学病院に無い高度かつ専門的な診断・検査・治療を行っている特色ある医療機関に設置している「臨床系連携講座」において、専任教員と第一線の臨床医である連携教員による複数指導体制の下で、理論と実践を融合した臨床医学研究を行うことも可能です。

大学院臨床系連携講座

大学院臨床系連携講座は、博士課程臨床医学コース選択者を対象に、臨床医学研究の展開を図る事を目的として、札幌市内15、道内13の病院と医療機関に構築されています。(令和5年4月現在)

大学病院で診ることのできない患者情報の収集や、高度かつ専門的な診断・検査・治療を行う特色ある医療機関において、第一線で活躍する臨床医から研究指導を受け、併せて専任教員による複数指導体制のもと理論と実践を融合した教育を展開しています。

なお、臨床医学コースの研究内容は、大学病院あるいは連携講座の設置されている医療機関での診療を通じて得られた臨床検体、臨床情報の解析が含まれている事を前提にするものです。

臨床系連携講座 設置医療機関(令和6年5月現在)

コース修了者からのメッセージ

より良い治療法の開発を目指して

医学専攻博士課程
臨床医学コース 小児科学教室(令和2年度入学)

白石 真大まさひろさん

医師として小児科、特に小児循環器領域の臨床業務に従事していました。日常診療の中で現在の治療法の課題や限界に直面するうちに、より良い治療法の開発に貢献したいという気持ちが高まり、臨床現場を離れて博士課程に進学しました。

心筋幹細胞移植療法は心不全に対する治療選択肢となる可能性がありますが、臨床応用に向けては治療効果を含め多くの課題が残されています。治療効果の向上に向けて、小児科は薬学部薬剤分子設計学研究室と連携して研究を進めています。私のテーマは、ミトコンドリア活性化心筋幹細胞を用いた細胞移植療法の開発です。皆さんと一緒により良い治療法に繋がる研究に打ち込める日を楽しみにしています。

(令和5年4月現在)

社会医学コース

地域社会や国際的なレベルの健康・安全の維持・向上に幅広い知識と高い技能をもって取り組むことのできる人材を育成することを目的とする社会医学コースは、生物学、生命科学的アプローチとは異なる社会医学的、予防医学的視点から、研究倫理、統計学の基礎と応用、医療情報学、EBM(エビデンスに基づく医療)などの社会医学研究法を修得した上で、公衆衛生学や予防医学分野における研究手法や研究遂行能力を培います。

コース在籍者からのメッセージ

集団の健康を考える

医学専攻博士課程
社会医学コース 公衆衛生学教室(令和4年度入学)

若狭 はなさん

看護学生として患者さんにかかわるうちに、社会全体の健康を考えたいと思うようになり大学院に進学しました。修士課程で学んでいく中で、さらに掘り下げて研究したいと思ったのが、博士課程への進学を決めたきっかけです。
今は、地域に住んでいる方のどんな生活習慣がどんな健康状態に影響を及ぼすのかについて研究しています。実際に地域で生活を営む方々を対象にしているため、思った通りの結果がでないこともありますが、日々PCとにらめっこしながら、時には地域に出かけながら、少しでも健康のためのヒントをつかめないかと奮闘する日々です。研究の成果が少しでも地域や社会のためになればと思っています。

(令和5年4月現在)

取得可能な学位

博士(医学)

履修期間

標準履修
4年間
短縮修了
英文学術雑誌に掲載の英語基礎論文2編以上で、履修年限を最大1年間短縮可能です(他に要件あり)。
長期履修
社会人の場合、4年分の授業料で最大6年間在学可能です。
長期履修制度について

長期履修制度について

1.長期履修の趣旨

長期履修制度とは、学生が職業を有している等(介護・育児等を含む)の事情により、標準修業年限(4年)を超えて一定の期間にわたり計画的に教育課程を履修したい旨を申し出たときは、個別に審査のうえ、その計画的な履修(以下「長期履修」といいます。)を認めることができる制度です。

2.長期履修の対象者

次の各号のいずれかの事由に該当する者で、かつ、当該事由により、学業に専念できないため、課程修了に要する学修(研究)計画年数を予め長期に設定することを希望する者が申請できます。

  1. (1)官公庁、企業等に在職している者(給与の支給を受け、職務を免除されている者を除く。)又は自ら事業を行っている者等フルタイムの職業に就いている者
  2. (2)アルバイト、パートタイム等の職業に就いている者で、その負担により修学に重大な影響がある者
  3. (3)育児・親族の介護等前2号に準ずる負担により、修学に重大な影響がある者
  4. (4)視覚障害、聴覚障害、肢体不自由その他の障害を有している者で、その障害により長期にわたり修学に重大な影響があると認めた者

3.長期履修期間

長期履修による修業年限の期間は、博士課程にあっては6年以内で、年を単位として申請することができます。 また、本学院において休学を許可することができる期間は、長期履修学生も標準修業年限の学生と同じく4年間です。

4.長期履修の手続き等

  1. (1) 申請期限
    長期履修を希望する者は、入学願書提出時に申し出てください。申請用紙は医学系事務部総務課医学院教務担当にあります。
  2. (2)提出書類等
    次の書類等を医学系事務部総務課医学院教務担当あて提出してください。
    1. ① 長期履修申請書(様式1-1)
    2. ② 理由書(様式2)
    3. ③ 長期履修計画書(様式3)
    4. ④ 長期履修が必要であることを証明する書類等

5.長期履修期間の短縮又は延長

本学院において必要と認めるときは、長期履修期間の短縮又は延長を在学する課程においていずれか1回に限り認めることができます。
手続きについては、医学系事務部総務課医学院教務担当に照会してください。

6.授業料の取扱い

入学時に長期履修が認められた者の授業料は、概ね標準修業年限に納付すべき授業料の額(年額×4年)を長期履修が認められた年数で除した額を年額として決定します。ただし、納入済みの授業料を遡って調整することはありません。
【長期履修申請期間に係る授業料は、決定通知があるまで絶対に納入しないでください。】

中間審査

3年次の最初に中間審査を行い、審査員による進行状況のチェックを受けることになります。

修了要件

  • ① 学位論文の提出
  • ② インパクトファクターのある英文学術雑誌等に掲載または掲載予定の英語基礎論文1編(申請者が第一著者となっているもの)
  • ③ 所定の単位30単位以上の修得

履修モデル

(令和元年度現在)

履修モデル
  • ※1 初期臨床研修を修了していなければ診療に従事することはできません(医師法第16条)
  • ※2 新専門医制度(2018年4月開始)による専門研修専攻例。研修の期間・内容は、基本領域(内科や外科など19領域)ごとに定められた専門研修プログラムにより異なります。専門医になるためには専門研修を修了する必要があります

★ 専門研修最終年に博士課程の履修を開始する例

修了後の進路

修了者就職先(平成19年度~令和4年度/修了者数合計1,212人)

修了者の半数以上は一般病院や大学病院で医師や医療従事者として勤務しています。次いで大学や企業等の研究員・研究職が多くを占めています。

(令和6年5月現在)

修了者就職先

博士課程修了者からのメッセージ

学び直しのすすめ

JCHO札幌北辰病院 泌尿器科医師

西村 陽子さん

私は臨床医として10年ほど“診断と治療”を中心に勤務してきましたが、自身の不妊治療・妊娠を通じて子供の病気の“予防”こそ世のお母さん達が求めているものではないかと考え大学院に進学しました。進学時すでに35歳を超えており高齢の子連れ大学院生で不安も強かったですが、周囲の温かい理解と支えもあり、「胎児期における内分泌攪乱化学物質曝露が性分化へ与える影響」をテーマに疫学研究に従事させて頂きました。

大学院修了後は関連病院で勤務しながら客員研究員として週末に研究を行っております。仕事と育児に加え研究を続けることは大変ですが、やはり楽しいです。また疫学の視点を得たことで “疾患予防”を日々の診療にも取り入れております。実務を経験した社会人が問題意識を持って学び直しすることは自身の成長のみならず社会が直面する課題の解決にも寄与すると思います。年齢や出身分野に関わらず多くの方が新たな一歩を踏み出されることを願っております。

(令和3年4月現在)

教育課程

医学専攻博士課程では、「共通コア科目」、「必修科目」、「選択科目」の3つの区分で授業科目を開講します。

共通コア科目

コース 授業科目名 単位数
基盤医学コース
臨床医学コース
社会医学コース
医学研究概論 1
実験・研究計画法 1
医倫理学 1
公開発表演習 1
研究発表技法Ⅰ 1
研究発表技法Ⅱ 2
トランスレーショナルリサーチ概論 1

必修科目

コース 授業科目名 単位数
基盤医学コース 医学研究法Ⅰ 1
医学研究法Ⅱ 1
基盤医学研究 10
臨床医学コース 臨床医学研究法Ⅰ 1
臨床医学研究法Ⅱ 1
臨床医学研究 10
社会医学コース 社会医学研究法Ⅰ 1
社会医学研究法Ⅱ 1
社会医学研究 10

(備考)3つのコースのうちから1つのコースを選択し、当該コースに係る全ての授業科目を履修すること

選択科目

コース 授業科目名 単位数
基盤医学コース
臨床医学コース
社会医学コース
※医学総論 [2]
必修科目で選択したコース以外の必修科目(基盤医学研究、臨床医学研究、社会医学研究を除く。)  

(備考)所属教室の開講する「医学総論」2 単位以上を含み、10 単位以上を修得すること

※単位欄の数字に[ ]のついている授業科目は、講義題目が異なるものであれば複数個の履修が可能です

カリキュラムマップ
平成29年度以降入学者用