日時 | 令和7年9月9日(火) |
場所 | 札幌市北区北8条西5丁目北向き 北海道大学学術交流会館 アクセス https://www.hokudai.ac.jp/bureau/property/s01/access/ |
北海道大学白菊会は、昭和38年に全国的な組織である「白菊会北海道支部」として札幌医大とともに活動を開始しました。故伊藤昌一教授と故児玉譲次教授の努力により、解剖学第二講座(現・医学研究院 解剖発生学教室)に事務所を置き、2名の会員でスタートしました。
児玉教授らが道内各地で行った白菊会と篤志献体についての啓発活動により、会員数は徐々に増えていきましたが、その一方で、解剖実習に必要な全ての実習体を白菊会会員のご献体のみで確保するのは困難な状況でした。昭和42年に歯学部が設置された後は、医学部の解剖学第一講座・第二講座と歯学部の口腔解剖学第一講座の計3講座が協力してご遺体の確保に努めましたが、昭和50年代においても、解剖実習で学生8人に対して実習体1体という、献体不足の状況は続いておりました。
その後、白菊会の会員数は順調に増加し、昭和61年に総会員数が1,000名を超えた際には「白菊会札幌支部」から独立、「北海道大学白菊会」として活動を開始しました。平成6年5月には存命会員数1,800名、総献体数400柱を越えるまでとなり、その頃より、解剖実習において学生4人に対して実習体1体、そして全ての実習体が白菊会会員のご献体のみで確保できるという理想的な状況が続いております。
そして、新規入会者はさらに増加し、平成8年6月には総会員数2,600名を越えるに至りました。しかしながら、この急激な会員数の増加は、遺骨返還までの期間の長期化(3~4年)という新たな問題を生むこととなりました。以来、2年以内のご遺骨返還が可能となる適正な会員数の維持を目的として、新規入会登録の停止と再開を繰り返してきました。最近では、新規会員登録を平成31年1月より停止しておりましたが、令和3年10月より新規入会受付を再開することが決まり、現在新規入会登録を受付中です。入会ご希望の方は、白菊会事務局までご連絡いただき入会方法についてお問い合わせください。
北海道大学白菊会総会では、過去1年間の経過報告、今後の活動方針の検討、そして医学・医療に関する講演会を行っております。なお、今年度は令和6年9月10日に第52回北海道大学白菊会総会が北海道大学学術交流会館で開催され、令和6年7月現在の存命会員2,353名、過去1年間の献体数69名(過去総数2,031柱)と報告がありました。また、令和7年度の第53回総会は、令和7年9月9日(火)本学学術交流会館で開催する予定となっております。
解剖体慰霊祭は札幌の名刹東本願寺にて仏式で行っておりましたが、宗教上の問題を考慮し、現在では無宗教形式にて、医学部・歯学部の合同慰霊式として学内施設で厳粛に執り行われております。合同慰霊式には、ご遺族をはじめ総長以下北海道大学関係職員、学生、学外関係者及び白菊会会長が参列し、尊いご遺体を捧げられた御霊のご冥福をお祈りしております。
また、歴代の北大白菊会会長は、故北間金松氏、故佐藤幸雄氏、故児玉譲次氏、故井上芳郎氏と引き継がれ、現在は、渡邉雅彦教授が会長を務めています。
〒060-0815 札幌市北区北15条西7丁目
北海道大学白菊会事務局
※上記時間外及び休日の場合は警務員室
011-706-7150
献体とは何でしょうか?
献体とは『医学・歯学の教育・研究の推進と発展のために、自分が死んだ後で、自分の遺体を医科または歯科の大学へ無報酬・無条件で提供すること』です。北海道大学では、医学部・歯学部の学生が行う「正常解剖」と、医師・歯科医師が行う「臨床解剖」に献体を使わせていただいております。献体をする為には、ご家族の同意が必要です。
以下は、これまで多くのご質問をいただいた内容にご説明をさせていただいたものです。
全くありません。ですから、献体を約束した人を篤志家というのです。医学・歯学の教育・研究の上で最も大切なことは、人体はお金で買うことの出来ない尊いものであるということです。
白菊会の献体理念が、医科および歯科大学に充分理解され感謝されております。大学も学生も、真剣に、かつ心からの感謝の念をもってご遺体に接していますから、全く心配はいりません。
ご本人が亡くなられた後、ご遺族の方から反対者が出ますと献体は実行されません。その為に、ご遺族の方とのトラブルを避け、かつご本人の尊いご意志に報いる為にも、ご家族(または近親者・知人)の同意を必要とします。医学歯学教育における正常解剖のための献体について詳しいことを知りたい方は、北海道大学白菊会事務局へご連絡ください。
入会時にご家族がいない場合は、死亡時に大学に連絡をしていただける近親者、知人、友人などの同意を得てください。死亡時にご遺族がいない場合は、大学の方で市町村長や区長から解剖の許可をとりますので、献体することは可能です。
「正常解剖」とは、人体構造の教育・研究を目的として、医学部・歯学部の学生(大学院生も含む)が行う解剖です。「臨床解剖」とは、手術手技の研修・開発・研究を目的として、医学部・歯学部を卒業した医師・歯科医師が行う解剖です。
入会時に、献体の目的を、①正常解剖のみ、②正常解剖もしくは臨床解剖のどちらかを選択していただきます。ただし、臨床解剖のみを選択することはできません。
臨床医学の教育と研究を目的とした「臨床解剖」では、手術手技の研修や訓練から、新しい手術手技や医療機器などの研究開発などを行います。
明確な年齢制限はございませんが、一応成人に達している方となっております。若い方々は将来、家族構成やご意志が変わる可能性がございますので、一応家族全員が成人に達しておられる方を対象としています。
脱会はいつでも自由に出来ます。その折は、ご遠慮なく当大学白菊会事務局までご連絡下さい。
入会金、会費はありません。当会は大学からの謝金によって運営されております。
ご遺族のお申し出により、ご遺髪・爪などをお渡ししております。
費用はかかりません。献体の際、ご遺族に少額ですが大学から祭祀料が出されております。亡くなった場所から北大までのご遺体の運搬に要する費用、火葬の費用は大学が負担します。その際、お棺が必要な場合は大学で用意しますが、葬儀の費用はご自弁下さい。
もちろん出来ます。北大で遺体を引き取らせていただくには、
1) 亡くなってすぐ
2) 通夜を済ませてから
3) 葬儀を済ませてから
の3つの時期があります。2)、3)の場合には、死後あまり時間がかかります様でしたら大学側にご相談下さい。
平日の午前10時15分から午後5時までの勤務時間内は、北大白菊会事務局 (011)706-7852
時間外・週末・祝祭日は、北大医学部・警務員室 (011)706-7150 にご連絡下さい。
尚、お亡くなりになった時期にもよりますが、ドライアイスなど事前の防腐処置をお願いすることがあります。
状態にもよります。外傷がひどい時などは献体出来ない場合もあります。まず北大に電話連絡して下さい。
出来ます。胃・片肺・四肢の一部が欠けていても献体出来ます。
重篤な感染症(B型・C型肝炎、活動性結核、エイズ(HIV)、梅毒、クロイツフェルト・ヤコブ病など)に罹患している場合、教職員・学生が感染する可能性がありますので献体をお断りしています。ご不明な点は北大に電話連絡して下さい。
死後に臓器を体から取り出す際に皮膚や筋、血管を切ることになり、そのような状況では防腐処置ができなくなり、献体することはできなくなります。また、献体後の解剖のために血管から防腐液を注入(防腐処置)すると、臓器移植は不可能になります。
このため、原則として、献体を選択するか、臓器提供を選択するかのどちらかになります。
例外的に、一側の眼球提供のみであれば、献眼後に防腐処置を行うことができ、学生も眼の勉強をすることが可能になります。
臓器提供に関するお問い合わせ先は、以下のとおりです。
公益財団法人 北海道移植医療推進財団
〒060−0061
札幌市中央区南1条西16丁目1−246 ANNEXレーベンビル5F
TEL.011−590−0217 / FAX.011−590−0617
電子メールishoku.iryou.hokkaido★gmail.com
※メール送信の際は★を@に変えてください
お亡くなりになった時期によりますが、おおよそ2年から3年かかります。火葬時にお返しすることになります。ご遺族のご希望により、ご遺骨は大学からお届けすることも可能ですので、その旨お申し出下さい。
ご遺族の方々にお骨上をしていただいています。ご遺族がいらっしゃらない場合や、お申し出がない場合には、大学の教職員がお骨上をいたします。
大学でのご遺体の防腐処置後は、ご遺体との面会は一切出来ません。ただし、ご遺体のお引取り直後で防腐処置前であれば、近親者の方のみ対面出来る様配慮しております。
解剖学実習では頭部を含む全身を解剖しますので、火葬が終了するまでご遺体との面会は一切できません。
ご希望により、本学では札幌市豊平区平岸にあります北海道大学納骨堂にお納めし、毎年8月に大学の教職員がお参りしております。
生前に献体の約束をされ、献体が実行されますと、文部科学大臣ならびに北大医学研究院長からの感謝状がご遺族に伝達されます。
令和元年3月5日、北海道大学歯学部において解剖学教育のためにご献体いただいたご遺体の火葬を執り行った際に、ご遺族からご遺骨が故人のものではない可能性のご指摘を受けました。歯学研究院に学外有識者を含む特別調査委員会を立ち上げ、調査を実施した結果、解剖学教育にかかる実習後の納棺時にご献体を取り違えていた事実が判明し、ご遺族に対して深く謝罪し、発生原因と再発防止策についてご説明しました。また、歯学研究院のWebサイト上にお詫びと調査結果の概要が公表され、報道機関各社からの報道に至りました。白菊会事務局といたしましても、被害に遭われたご遺族の皆様、白菊会会員ならびにご家族の皆様、すでにご献体いただいたご遺族の皆様に対して深刻な不安とご心配をおかけしたことに対して、深くお詫び申し上げます。
このような取り違え事故が二度と起こらぬよう、北海道大学の医学部と歯学部の解剖学教室は、ご献体の受入からご遺骨の返還までの全ての過程での管理手順を点検し、令和元年8月新たに「北海道大学における献体管理の方針」を定め、それに沿った「献体業務マニュアル」の整備を行いました。今後は、火葬後も個人照合を可能とする体制を構築し、常に補強すべき点を洗い出し、継続的に管理体制の改善に取り組んで参ります。損なわれた信頼関係を回復し、北海道大学白菊会に安心してご献体していただけるよう、教職員一同努めて参ります。今後とも、白菊会会員ならびにご家族の皆様からのご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。