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学会・講演会・セミナー情報

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遺伝子病制御研究所セミナー

2020/01/24

本学遺伝子病制御研究所では、以下のとおりセミナーを開催しますので、お知らせいたします。


主催者からのご案内

このたび、山形大学から田中 敦先生をお招きし、遺伝子病制御研究所セミナーを開催いたします。田中先生はこれまで、ミトコンドリアを中心とした細胞生物学と関連疾患研究に力を注がれており、ミトコンドリアがどのようにして複雑かつ多様な機能を維持できるのか、破綻した際にどのような疾患につながるのかについての研究を展開されています。皆様のセミナーへのご参加をお待ちしております。

【日 時】:2020年2月4日(火) 16:00~17:00
【場 所】:医学部 北棟5Fセミナー室
【演 者】:
山形大学 医学部 メディカルサイエンス推進研究所
山形大学大学院 医学系研究科 創薬科学講座 田中 敦先生
【演 題】:
ミトコンドリアをハブとした細胞内鉄動態の解析と疾患へのつながり
【要 旨】:
 鉄は生物の酸素呼吸、特にミトコンドリアにおける酸化的リン酸化によるエネルギー生産の際に必須であり、またエネルギー生産のみならずDNAの合成やヘムの生合成など様々な生反応においても、必須な元素である。酸素とともに効率よくエネルギーを生産する鉄は、一方でその反応性からフリーラジカルに代表される活性酸素種を発生させてしまう「酸化ストレス発生の源」として、細胞成分であるタンパク質・脂質・核酸などに損傷を与える。いわゆる両刃の剣として表現される鉄は、それゆえに生物が厳密に制御しなくてはならない。
 近年さまざまな疾患、特に進行性の変性疾患や老化、がん発生などにおいて、ミトコンドリアの機能の低下や異常の蓄積が酸化ストレスを増悪させるという、「ミトコンドリア異常を端緒とする発症メカニズム」があると捉えられるようになった。しかしながら、細胞内鉄代謝の変化や異常が、鉄代謝の代表的な場であるミトコンドリアをどのように刺激し、またミトコンドリア機能異常がどのように細胞内鉄代謝に影響を与えるかについては、詳細なメカニズムが明らかではない。私たちの研究室では現在、「ミトコンドリアがどのように細胞内の鉄代謝・鉄動態に応答しているか」について研究を進めている。本セミナーでは、これまでに明らかにしてきたミトコンドリアの構造変化(ダイナミクス)と機能変化(鉄代謝ストレス応答)、ミトコンドリア以外の細胞内小器官との連携による細胞内鉄動態の恒常性維持への寄与について報告し、異常ミトコンドリア由来の酸化ストレスによる疾患の発症を防ぐ可能性について議論したい。

【後 援】:
共同利用・共同研究拠点「細菌やウイルスの持続性感染により発生する感染癌の先端的研究拠点」

【本件担当】:
北海道大学遺伝子病制御研究所 がん制御学分野 教授 園下 将大(内線8801)
MAIL:msonoshita@igm.hokudai.ac.jp