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陽子線治療の全例登録事業(事務局:北海道大学)のデータ解析に基づいた、粒子線治療の最新エビデンスについての特集号が出版されました

2023/07/19

この度、陽子線治療の全例登録事業(事務局:北海道大学)のデータ解析に基づいた、粒子線治療の最新エビデンスについての特集号が出版されました。

Journal of Radiation Research, Volume 64
https://doi.org/10.1093/jrr/rrad034

本特集号では、JASTRO(日本放射線腫瘍学会)が実施した研究で得られた成果の一部が掲載されており、放射線治療科をはじめ、本学の研究者が多数、筆頭著者、もしくは共著者として論文執筆に貢献しています。

陽子線治療の全例登録事業について

JASTROによって規定された統一治療方針による粒子線・陽子線治療の観察研究は、本学の放射線治療科、臨床研究開発センター、データセンター、全国の粒子線・陽子線治療施設の研究者から構成される他施設共同研究として、2016年5月に開始されました。事務局を、本学・医理工学グロバールセンターが、研究代表者・研究分担者を 本学・放射線治療科が担い、研究を推進しています。

本研究による全国規模のデータの蓄積により、粒子線・陽子線治療の有効性に対するエビデンスが出始め、2016年に陽子線治療が小児がんに、重粒子線治療が骨軟部腫瘍で初めて公的保険に適用されました。その後、多くの疾患が保険診療の対象に拡大されており、日本における陽子線・粒子線治療の位置づけは先進医療から、保険医療へと進みつつあります。

陽子線治療とは

がんの治療法は、外科手術、化学療法、放射線療法が三大治療法と言われています。
陽子線治療は、この中の放射線療法の一つです。X線治療よりも正常組織への照射範囲をさらに減らすことが可能で、治療効果が高く、体への負担や副作用が軽い、という点で注目されています。

北海道大学病院 陽子線治療センター

北海道大学病院の陽子線治療センターは、世界のトップを目指した先端的研究推進のための「最先端研究開発支援プログラム」の支援を受け、2014年3月に開設しました。次世代型のスポットスキャン法を用いた陽子線治療の先進医療を開始し、その後、体内の臓器の動きや位置や大きさによって従来は正確な治療が困難であったがんに対しても、世界で初めての動体追跡スポットスキャン陽子線照射技術を用いて治療を開始しました。さらに、2015年からは、強度変調陽子線治療(IMPT)を開始しており、従来のX線治療の最先端である強度変調放射線治療(IMRT, IMXT)を凌ぐ、正常組織の防護を可能とした放射線治療を達成しています。 また、動体追跡用のX線管を利用したコーンビームCTを用いた位置決めを可能とし(この組み合わせはX線治療を含めて世界で初めてです)、最先端のリアルタイム画像同期陽子線治療装置として世界中から注目を集めています。

関連リンク

医学研究院 放射線治療学教室 webサイト
北海道大学病院 陽子線治療センター webサイト