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IAEAとのコンソーシアム協定を締結

2023/03/22

2023年3月9日(日本時間18時)、北海道大学大学院医学研究院は、日本国内の他10施設(*)とともに、国際原子力機関(IAEA、本部ウィーン)との間に放射線医学教育に関するコンソーシアム協定を締結しました。このコンソーシアムは、発展途上国等における放射線医学、核医学、放射線治療の専門家の育成を通じて、がんの診断と治療の水準を向上させることを目的としています。
コンソーシアム自体は2018年に発足し、今回の協定締結により5年間更新されることになりました。北海道大学大学院医学研究院は、これまでもIAEAの教育活動に貢献しており、2019年9月には、本学キャンパス内において「Regional Workshop on Clinical Applications of Cardiac Multimodality Imaging in Clinical Based Setting Including PET/CT」と題したワークショップを開催し、アジア等から29名の受講者を受け入れました。また、国内の他施設で開催されたワークショップに講師を複数回派遣しました。
今回の締結に基づき、北海道大学大学院医学研究院は他施設やIAEAと連携しながら放射線医学分野の教育において重要な役割を果たして参ります。

(*)他の国内10施設は以下のとおりです。
大阪大学大学院医学系研究科
藤田医科大学
国際医療福祉大学
金沢大学大学院医薬保健学総合研究科
京都大学病院
国立がん研究センター
総合南東北病院
東北大学大学院医学系研究科
香川大学
湘南鎌倉総合病院

詳しくはIAEAからのプレスリリースをご覧ください。
https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/iaea-launches-rays-of-hope-partnership-with-11-japanese-universities-and-institutions-to-enhance-cancer-care-in-asia-and-the-pacific

以下、プレスリリース全文の日本語訳です。

国際原子力機関(IAEA)は、「Rays of Hope」と名付けた活動の下、アジア太平洋地域における核医学の人材強化のため、日本の大学および医療機関からなるコンソーシアム協定を締結しました。
この協定は、IAEAとコンソーシアムの過去3年間のパートナーシップの成果に基づくもので、様々な専門家の力によってトレーニングの機会を作り、また研究成果を共有することで、特に発展途上国におけるがんの診断と治療の水準を向上させることを目的としています。
IAEAの「Rays of Hope」イニシアチブは、発展途上国における機器不足、専門家不足を補い、安全、安心、効果的な放射線医学の確立を支援するために、2022年に開始されました。Rays of Hopeは、放射線医療が十分に行えない地域に焦点を当て、各国のニーズに沿いながら、費用対効果が高くかつ持続可能な介入を優先的に実施します。
IAEA事務局次長兼技術協力部長であるHua Liu氏は、調印式で次のように述べました。「この協定は、過去数年間、加盟25カ国に利益をもたらしてきたパートナーシップを基盤としています。新しい協定は、Rays of Hopeを通じて、時間と資源を集中的に投資することにより、がんの診断・治療を改善する大きな可能性を秘めています。」
IAEAと日本のコンソーシアムは協力して、すでに心臓画像診断、小児核医学、神経学・精神医学などの分野で175人以上の医療専門家を教育してきました。2019年には4回のトレーニングコースを開催し、神経学やハイブリッド画像診断等に関する3人の科学者の留学を斡旋しました。
2023年3月9日に署名された新しい協定は、核医学の臨床応用に関連する専門家の育成と、データおよび情報の交換に焦点を当てるものです。コンソーシアムの全メンバーは、年に少なくとも1回の科学者訪問を受け入れる機会を作るよう努力しています。
コンソーシアムの各施設は、がん治療施設の設立と拡大を加速することを目的として、核医学のさまざまな専門家の育成に協力して取り組み、より広いネットワークで知識と臨床技術を共有することに合意しました。
今回、協定を締結したのは、放射線医療やがんの診断・治療を専門とする、日本を代表する11の大学・医療機関です(大阪大学大学院医学系研究科、藤田医科大学、北海道大学大学院医学研究院、国際医療福祉大学、金沢大学大学院医薬保健学総合研究科、京都大学病院、国立がん研究センター、総合南東北病院、東北大学大学院医学系研究科、香川大学、湘南鎌倉総合病院)。
Rays of Hopeは、戦略的パートナーシップを構築し、多方面の資金を活用しながら、中低所得国のがん医療へのアクセスを改善するという目的で、昨年開始されたばかりです。このイニシアチブのもと、国際学会や民間企業との協定が結ばれています。
コンソーシアムの代表大学である大阪大学大学院医学系研究科の畑澤順氏は、「原子力の技術を人々の健康や福祉に役立てることが、コンソーシアムにとっての優先事項です。IAEAのRays of Hopeイニシアチブに参加することで、がん診断・治療のさらなる強化が期待されます」と述べています。