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vol.07 整形外科学分野

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北海道大学大学院医学院の教員・教室を紹介します
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北海道大学大学院医学研究科 機能再生医学講座 整形外科学分野

教授岩崎 倫政専門医学系

  • 1988年、旭川医科大学医学部卒業、北海道大学医学部整形外科入局
  • 1994年、同大学院医学研究科外科系専攻博士課程入学、同年4月から翌年8月までJohns Hopkins大学整形外科に留学
  • 1998年、北海道大学大学院医学研究科外科系専攻博士課程卒業
  • 2000年、同医学研究科運動器再建医学分野 助手。以後講師、准教授を経て2012年より現職

歴史と伝統を誇る北海道大学整形外科
臨床への応用を目指した多彩な研究を行っています

北海道大学整形外科は、国内でも有数の歴史と伝統を誇る教室です。これまでに学内外へ数多くの教授を輩出し、道内の主要基幹病院のほとんどが北大整形外科の関連病院です。研修先や教室出身者の就職先も確保され、大学で学んだ専門性を十分に発揮できる場が提供されています。

岩崎倫政教授をリーダーとする機能再生医学講座整形外科学分野では、入局3年目以降に大学院へ進学することができ、充実した指導体制のもと先進的な研究を行っています。
研究内容は臨床研究部門と基礎研究部門に大別され、臨床研究部門では上肢・下肢・股関節・脊柱・腫瘍・スポーツ診療の6つの班が最高水準の診療を行うと同時に、豊富な症例や過去の蓄積をベースにした臨床研究を推進。基礎研究では軟骨をはじめとする運動器再生医学、遺伝子および分子レベルでの運動器疾患の病態解明の研究を精力的に行っています。

「いずれの研究も常に臨床への応用を視野に入れています。臨床に足りないところを補ったり、新たな治療法に結びつくようなテーマに積極的に取り組み、基礎研究であっても臨床への展開を目指すことが重要だと考えています」

岩崎教授自身も、運動器組織再生医学と糖鎖生物学的アプローチによる病態解明の分野で数多くの研究に従事。天然由来の素材を高純度化させたバイオマテリアル(Scaffold)開発や、それを用いた軟骨再生治療法の開発などで多くの成果をあげています。2014年には、製薬会社と共同で海藻由来のアルギン酸を用いた軟骨修復治療剤を開発し、独立行政法人科学技術振興機構(JST)による産学共同実用化開発事業(NexTEP)に採択されました。

また、上肢の臨床研究では日本初の人工手関節の開発研究にも携わり、研究成果を臨床に応用。北海道臨床開発機構(HTR)の支援を受けた医師主導型治験を実施しました(2009年10月〜2014年6月)。

教育・診療・研究のすべてにおいて高度なレベルを実現
道内の整形外科治療をリードする人材を育成しています

整形外科は、骨や軟骨を含む硬組織や筋肉・腱・靱帯・神経・血管の軟部組織など多様な運動器組織を扱い、しかも内科的治療から外科的治療まで幅広く診療を行う診療科です。近年は高齢化社会の到来、スポーツの普及、Quality of Life向上に対する高い要求などもあり、整形外科の担う役割と重要性がより一層高まっています。

「整形外科の診療や研究に対するニーズは今後ますます増加していくと考えられ、私たちがやるべきことはたくさん残されています。そういう点では非常に魅力の多い分野です。研究成果を臨床に応用しやすいのも特長です。例えば現在日本で保険適用できる再生医療は軟骨と皮膚だけです。世界的にみても軟骨の再生医療は盛んに行なわれています。軟骨の再生医療は患者さんのニーズが高く、患者さんへの応用が非常にしやすい領域であり、臨床に直結する新しい技術の開発が期待されています」

整形外科学分野では、①臨床と研究両面での質の高い教育、②北海道の地域医療を支えつつ先端的な医療を提供する同門関連病院のネットワーク、③学内外での充実した研究環境など、北海道の整形外科の中核を担う存在として優れた臨床医・研究者の育成を実践。北海道のプロスポーツチームのチームドクターを務めるなどスポーツ医学の面でも貢献しています。

「整形外科医としての高い能力を身につけるだけでなく、研究者としても4年間しっかり研究に従事し、英語論文をはじめとする業績を積み上げていくことで研究マインドを持った指導力のある整形外科医に成長することができます。一人の医師が最高水準の臨床と世界レベルの研究の両方に深く携わることができるのは、北海道大学整形外科ならではの環境といえるでしょう」

「当教室の大学院生も、異分野の研究者と交流しながら研究中心の生活を送っています。医学部以外にも他学部・他大学・海外からの留学生などに門戸を開いていますので、整形外科領域に興味があり、新しい分野を切り拓きたいという意欲のある方はぜひ大学院に進学してほしいと思います」

(取材:2014年12月)

最新情報に触れるセミナーや講演会を通じて  若手研究者のマインドを刺激しています

整形外科学分野では学内外から講師を招いたセミナーを年に数回開催しています。整形外科の現状や展望、医療事故の防止、スポーツ医学など多彩な情報に触れることで、若い研究者のモチベーションアップにつなげています。また、学生向けに教室で行っている研究や研修プログラムを紹介する説明会も年4回開催しています。