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vol.03 眼科学分野

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北海道大学大学院医学院の教員・教室を紹介します
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北海道大学大学院医学研究科 感覚器病学講座 眼科学分野

教授石田 晋専門医学系

  • 1990年、慶應義塾大学医学部卒業、同眼科研修医
  • 1994年、佐野厚生総合病院眼科医長
  • 1995年、慶應義塾大学医学部眼科学教室助手
  • 2001年、米国ハーバード大学眼科研究員
  • 2004年、慶應義塾大学医学部眼科学教室講師。以後、慶應義塾大学総合医科学研究センター網膜細胞生物学研究室主任、慶應義塾大学医学部准教授を経て、2009年より北海道大学大学院医学研究科眼科学分野教授

繊細で精緻な目の機能と疾患のすべてを網羅し
幅広くかつ高度に研究を展開している分野です

眼科学分野は、2009年に慶應義塾大学医学部より石田晋氏を教授に迎え、新体制のもと診療・教育・研究の面で北海道の眼科医療をリードし続けている研究室です。

「人間の眼球は直径が24㎜程度で、その中には角膜・水晶体・ぶどう膜・網膜・視神経など非常に繊細なパーツがあり、小宇宙にも例えられています。当分野の研究体制は、すべてのパーツについて広く深く研究できる点が最大のメリットです。中でも、日本人の失明原因の上位に上げられる緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性など、生活習慣病に関連がある疾患に関しては、国内屈指の専門家が揃い、充実した研究体制が整っています」

眼科学分野には眼免疫学、網膜細胞生物学(血管)、網膜細胞生物学(神経)、眼腫瘍・病理学、角膜細胞生物学の5つの研究グループがあります。石田教授自身も糖尿病網膜症とレニン・アンジオテンシン系(RAS)に関する研究で、RASの上流にあたるプロレニン受容体に対する阻害薬の開発を進めています。治療薬の開発には薬学など他分野の研究者も参加し、広い視野に立った取り組みが行われています。

左図:実験的ぶどう膜炎・網膜炎モデルマウスにおける網膜血管への白血球接着 右図:マウス胎児網膜における(プロ)レニン受容体(赤色)、β-カテニン(緑色)と核(青色)の多重染色
▲ 左図:実験的ぶどう膜炎・網膜炎モデルマウスにおける網膜血管への白血球接着
右図:マウス胎児網膜における(プロ)レニン受容体(赤色)、β-カテニン(緑色)と核(青色)の多重染色

「眼腫瘍・病理学グループは北大ならではの研究分野といえます。眼の腫瘍は症例が少なく、独立した研究テーマとして扱っている大学はほとんどありません。このため眼腫瘍の患者さんの多くは北大病院に集まります。このように希少な疾患も含め、幅広くかつバランス良く研究を展開しているところが北大眼科の特徴です」

また、診療・教育・研究の3つ活動がそれぞれに高い実績を挙げているのも大きな特長です。

「北大病院は、北海道の医療の『最後の砦』という自負があります。そのためにも、すべての領域を充実させることが重要であり、高い水準の診療を維持するためには、研究と教育のレベルも高めていくことが不可欠です。眼科学分野では、臨床・教育・研究が互いにフィードバックしながら、幅広い研究分野の一つひとつを深く追求することを目指しています」

医学の進歩と医療の水準を支える大学院での教育
教員や上司は使命感を持って指導にあたっています

大学院での教育レベルも学内で高く評価されています。ここ数年は毎年30編以上の論文を発表し、数多くの学術賞を受賞するなど若手の学術活動は非常に活発です。

「市中病院では診療技術の習得が中心となりますが、医学の進歩あるいは医療の水準を支える研究をじっくり教育できるのは大学院しかありません。ですから大学院での教育については大きな使命感を持っています」

大学院に進学する学生の多くは臨床医として数年を過ごした、手術の経験も豊富な眼科医です。

「臨床医として現場を経験し、眼科の医療にどのような課題があるのか、足りないところは何か、治せない病気は何かといったことを実感してから入学することを勧めています。その方が問題意識も高く、研究成果を医療に還元させるという志を持って取り組めるからです。私は『はしご理論』と呼んでいるのですが、大学院生が論文を書くのははしごを登るのに似ています。高くて急なはしごを登り切ってこそ素晴らしい結果を得ることができ、世の中にインパクトを与えるような論文を書くことができます。私たち指導する側の人間にとって大切なのは、質の良いはしごを正しい場所に立てかけること。大学院生が思う存分研究に打ち込めるよう、設備や研究費などの環境面を充実させることにも力を注いでいます」

(取材:2013年11月)

仕事も遊びも力一杯取り組む  多彩な才能を持つ人材が揃っています

眼科学分野では仕事と遊びのメリハリを大切にしています。石田教授のテニスをはじめ、グルメ、スポーツなど多彩な趣味と才能を持つスタッフが多く、自ら食べ歩いた店を紹介するグルメ本をまとめたり、プロ並みの漫画を書くスタッフもいます。野球やサッカーの他、忘年会・御用納めなどの行事も数多く、スタッフのコミュニケーションとリフレッシュに役立っています。

▲ 陳進輝診療教授のグルメレポートをまとめた『Dr.陳の札幌グルメバイブル』。(表紙イラストは水内一臣医員)